2025.07.09

インターネットリサーチ

ネットリサーチの実践的アプローチ|実施の流れをわかりやすく解説

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消費者の価値観やニーズが急速に変化する現代、企業にとって正確な市場・生活者・ターゲット理解は事業戦略の立案や意思決定において重要な活動となっています。その有効な手段の一つとして多くの企業で「ネットリサーチ」が活用されています。近年では、調査ツールやサービスの進化により、調査実施のハードルが大幅に下がり、さまざまな規模の企業がネットリサーチを活用するようになりました。
本記事では、ネットリサーチの基本概念からメリット、具体的な活用シーン、さらに調査会社の選び方まで詳しく解説します。商品・サービス開発やマーケティング施策の精度向上を目指す企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

ネットリサーチの概要 インターネットを通じて回答者(モニター)へアンケート調査を実施し、消費者の意見や行動を把握する手法
ネットリサーチのメリット ・調査にかかる時間や費用を、従来の紙や電話による手法と比べて大幅に抑えられる
・従来手法と比べてサンプル数を多く獲得できる

ネットリサーチとは

ネットリサーチとは、インターネットを通じてアンケート調査を実施し、消費者の意見や行動を把握する手法です。回答者(モニター)はスマートフォンやパソコンからWeb上のアンケートフォームにアクセスして回答します。インターネットリサーチやWebアンケート、オンラインサーベイとも呼ばれています。
従来の紙や電話による調査と大きく異なる点は、調査の配信から回答収集、データ集計まですべてがオンライン上で完結することです。物理的な制約が少なく、地理的制限を超えた幅広いターゲットから迅速にデータを収集できる点が特徴です。
昨今では、大規模なパネル(回答者集団)を保有する専門調査会社のサービスを利用することで、より精度の高い消費者インサイトを得ることができます。
インサイトについて詳しくは「深い顧客理解のための消費者インサイトとは」をご覧ください。

ネットリサーチのメリット

ネットリサーチを実施することでどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを紹介します。

費用や時間を抑えられる

ネットリサーチの最大のメリットは、調査にかかる費用と時間の大幅な削減です。従来の調査手法では、アンケート用紙の印刷費、調査員の人件費、郵送料などさまざまなコストが発生していました。しかし、ネットリサーチではこれらの物理的コストが不要となり、調査予算を効率的に活用できます。同じ予算内でより多くの調査を実施できるため、テーマを変えて複数回実施や定点観測などが可能になります。
また、調査の実施から回収、集計までの時間もすべてデジタルデータで収集できるため施策のリードタイムを短縮できるのも特徴です。従来と比較すると企画から集計・結果分析まで大幅に短縮できる傾向があり、スピーディーな意思決定が求められるビジネス環境において主流になっています。

多くのサンプル数を確保できる

ネットリサーチでは、従来の調査手法に比べて短期間で多くのサンプル数を確保できます。大規模パネルを保有する調査会社を利用すれば、数百万規模のサンプルを数日で集めることも可能です。サンプル数が多いほど統計的信頼性が高まり、より精度の高い消費者理解につながります。また、全国各地の幅広い地域から回答を得られるため、地域バイアスを排除した調査が実現します。
さらに、特定の属性(年齢、性別、職業など)や行動特性(特定商品の利用経験者など)で絞り込んだ調査においても、十分なサンプル数を確保できることが強みです。例えば、「30代の共働き夫婦で特定の電化製品を利用している層」といった細かなターゲット設定でも、大規模パネルを活用することで統計的に意味のあるサンプル数を集められます。

ネットリサーチの活用シーン

ネットリサーチはどのような時に活用すると良いのでしょうか。活用シーンを紹介します。

ターゲット層の実態把握

インターネットリサーチは、例えば新ブランド立ち上げ時、競争市場での差別化に向けた消費者実態把握に有効です。ターゲットの悩みや対策、購入行動、影響力のある情報源を定量的に把握可能です。
これにより、ターゲット設定、商品コンセプト設計、プロモーション戦略をデータに基づき企画推進できます。

ネットリサーチによるBtoB市場の課題定量化と戦略的意思決定支援

インターネットリサーチは、把握が難しいBtoB市場における顧客課題や実態の把握にも貢献します。ターゲット業務に従事する回答者を抽出し、仮説課題のボリュームを定量化。意思決定をサポートするデータを提供し、効果的な事業戦略の構築を支援します。

ネットリサーチ実施の流れ

では、実際にネットリサーチを実施する際にはどのような流れになるかをご紹介します。

ネットリサーチ実施の流れ
1.調査目的の明確化 2.調査設計・調査票の作成 3.調査実施・集計 4.集計・分析
「何を明らかにしたいのか」調査目的を明確化する 調査設計をして、調査票を回答しやすい構成で作成する Webアンケートにて実施 収集したデータを集計し分析

1.調査目的を明確化し、調査設計を行う

ネットリサーチを効果的に実施するためには、まず「何を明らかにしたいのか」という調査目的の明確化が不可欠です。自社の課題を特定し、それに対する仮説を立てることから始めましょう。例えば「商品Aが購入者にとって具体的にどのような点が魅力(ベネフィット)として評価されているか把握できていない。今後のマーケティング施策(広告、販促)の戦略に資するデータを集めたい。そのために、商品Aの認知度と、購入者が評価するベネフィットの定量的把握、他に隠れた魅力があるかを確認する。」といった明確な目的に沿って、進めます。曖昧な目的設定は分析段階での混乱を招くため、できるだけ具体的な検証ポイントを設定することが重要です。
目的が定まれば次に調査設計です。「調査対象者の条件」「必要なサンプル数」「予算とスケジュール」などの具体的な調査要件を決定します。例えば、対象者は商品A購入者、男女、年代別分析ができる様にサンプルサイズは2,000人、1カ月後の販促会議に間に合うように、3週間でデータを取得、となります。

2.調査票を作成する

調査票(アンケート)の作成は、質の高いデータを得るための重要なステップです。まず、対象者を絞り込むためのスクリーニング設問を配置し、その後に本調査の質問を配置するのが一般的な構成です。
質問作成時には「一つの設問で一つの内容だけを問う」「回答しやすい選択肢を用意する」「誘導的な表現を避ける」「前の質問が後の質問の回答に影響を与えないよう配慮する」などの基本ルールを守りましょう。

3.調査を実施する

調査票が完成したら、実際にWebアンケートを配信します。この段階では、事前に設定した対象者条件に合致するモニターにアンケートが配信されるよう設定を行います。大規模なネットリサーチ会社であればターゲット属性を細かく指定でき、地域や年齢、職業などの基本属性だけでなく、特定商品の利用有無などの行動特性でも絞り込みが可能です。
調査実施中は回収状況をモニタリングし、想定よりも回収が進まない場合は対象者条件の見直しや追加配信を検討します。必要なサンプル数が集まり次第回収を終了し、不適切な回答があれば除外します。

4.集計・分析する

収集したデータは、単純集計(全体の傾向把握)、クロス集計(属性別の傾向比較)などの手法で分析します。まずは全体像を把握するための単純集計から始め、その後、年齢や性別、購買頻度などの軸でクロス集計を行うことで、セグメント別の特徴を明らかにします。
さらに、自由回答の分析やスコアの相関分析など、より深い洞察を得るための分析も重要です。仮説と分析結果を検証し、実務に繋がる示唆を見出します。

効果的なネットリサーチを行うには

ネットリサーチを成功に導くためには以下のようなポイントが重要です。

適切な調査設計や分析を行う

調査目的を達成する質の高いデータを取得するには、周到な設計と精緻な設問作成が必要です。また、収集したデータの分析は、統計知識も必要です。

質が高く大規模なパネルを用意する

ネットリサーチの成功には、回答者であるパネルの質と量も重要です。
「質の高いパネル」とは、年齢や性別、地域などの基本属性がバランス良く分布しているだけでなく、属性情報が適切に管理され、安定した回答品質が確保されている集団を指します。このようなパネルは、偏りを避け正確なデータを収集するための基盤となります。
また、回答者数が多いほど、より詳細なセグメント分析が可能になり、調査結果の統計的な信頼性も向上します。

ネットリサーチなら楽天インサイトのインターネットリサーチ

ネットリサーチを外部の調査会社に依頼するのであれば、楽天インサイトの「インターネットリサーチ」がおすすめです。大規模自社パネルを活用してお客様のさまざまなビジネス課題解決につながります。

楽天インサイトのインターネットリサーチが選ばれる理由

楽天インサイトのインターネットリサーチが選ばれる理由を紹介します。

楽天インサイトのインターネットリサーチが選ばれる理由
業界最大級の大規模自社パネル 豊富なターゲティング情報 アスキングビッグデータとの連携 経験豊富なリサーチャー 使いやすいシステム
約220万人(2022年9月時点/12ヶ月以内に楽天インサイトでログインあり(不正者・重複者を除く)のパネルを自社で構築・運用 20ジャンル以上の幅広いテーマ・業界をカバーした「スペシャルパネル」を提供 調査結果を蓄積したビッグデータとの連携により多角的な分析が可能 経験豊富なリサーチャーが企画提案・調査設計から分析・報告書作成まで行うため、調査に不安な方も安心して調査可能 高機能・使いやすい調査システムで、マーケティング企画から分析までをサポート

業界最大級の自社パネル

日本におけるネットリサーチの回答者パネルは、大きく分けて「自社構築型」と「アグリゲート型」に分類されます。
自社構築型パネル:調査会社が自社でモニターを募集・管理・運用しているパネルです。モニターの質や属性情報の精度を管理しやすく、安定した回答品質を確保しやすいという特徴があります。
アグリゲート型パネル:複数のポイントサイトや他社モニターを連携させて回答を収集するパネルです。幅広い層にリーチしやすい一方で、パネル全体の品質管理や属性情報の精度にばらつきが生じる可能性があります。
楽天インサイトは、約220万人(2022年9月時点/12ヶ月以内に楽天インサイトでログインあり(不正者・重複者を除く)という業界最大級の自社構築型リサーチ専門パネルを自社で構築・運用しています。これにより、モニターの募集から管理、調査配信まで一貫した品質管理が可能となり、高いアクティブ率を誇る良質なパネル品質を実現しています。

豊富なターゲティング情報

職業や職種などの基本属性だけでなく、特定商品やサービスの利用状況など、20ジャンル以上の幅広いテーマ・業界をカバーした「スペシャルパネルを提供しています。これにより、求めるターゲットからの回答を迅速かつ低コストで収集できます。さらに、調査可能な対象者かどうかを事前に確認できるため、無駄のない効率的な調査設計が可能です。

「アスキングビッグデータ」との連携

アスキングビッグデータとは、楽天インサイトが独自に構築したビッグデータです。蓄積しているモニターの意識調査や行動実態など、豊富な情報を体系的にまとめたこのデータベースと連携させることで、単独の調査だけでは見えてこなかった多角的な視点からの分析が可能になります。追加費用は不要です。これにより、同じ予算内でより深い示唆を得られるため、費用対効果の向上が期待できます。
また、ターゲットの特性をより細かく把握できるため、顧客像の解像度が高まり、マーケティング戦略の精度が高まります。「なぜそのような回答になったのか」という背景要因の理解も深まるため、真に有効な打ち手の発見に役立ちます。

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経験豊富なリサーチャーによる専門的サポート

さまざまな業界経験を持つリサーチャーが在籍しており、企画提案・調査設計から分析・報告書・エグゼクティブサマリー作成まで、ワンストップでサポートします。過去の調査経験を活かした多様なアプローチで、お客様の調査目的に最適な提案が可能です。

高機能・使いやすい調査システム

楽天インサイトが独自に開発したアンケートシステム「RaQs2(ラクースツー)」はモニターにとって回答しやすく、集計ツール「楽クロス for Web(ラクロス フォー ウェブ)」は調査する側にとって使い勝手が良いなど、調査企画から分析までをトータルでサポートします。

まとめ

ネットリサーチは、インターネットを活用して消費者の意見や行動を効率的に把握できる調査手法です。従来の手法と比べて費用と時間を大幅に削減でき、多くのサンプル数を短期間で確保可能です。ターゲット層の実態把握や市場分析に役立ち、データに基づいた戦略的なマーケティング施策の立案を支援します。ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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