インターネットリサーチの料金、どう決まる？市場調査の費用相場を業界のプロが解説！

インターネットリサーチの登場は、市場調査の世界に大きな変化をもたらしました。かつては専門会社に依頼すると高額になりがちで、調査を行うのは大企業が中心でしたが、現在では費用ハードルが大きく下がり、多くの中小企業や個人でも市場の声を聴くことが可能になっています。
インターネットリサーチをご検討いただく際、「予算はどの程度を想定しておけばよいのだろうか？」と、多くの方が抱かれる疑問かと存じます。本記事では、インターネットリサーチの料金がどのように決まるのか、サービスタイプ別の特徴と費用相場を具体例とともに解説し、予算計画に必要な情報をご紹介します。

インターネットリサーチの料金は、コスト効率を重視した「セルフサービス型」か、調査会社の手厚い支援が付く「サポート型」かによって大きく変動します。セルフサービス型は、お客様自身で調査票の設計から分析まで行い、調査会社のシステムやモニターのみを利用するタイプです。DIY（Do It Yourself）形式とも呼ばれ、社内にリサーチの知識やノウハウがある企業に適しています。
一方、サポート型は、調査の企画設計から実施、分析、レポート作成まで、調査会社の専門スタッフが幅広くサポートするタイプです。調査票設計のみの部分的サポートから、企画から報告書作成まで一貫したフルサービスまで、依頼範囲に応じて柔軟に対応しています。

では、そのインターネットリサーチの料金は、具体的にどのように決まるのでしょうか？ 主な要素は次の3つです。まず「サンプルサイズ」、次に「設問数」、そして「対象者確保の難易度」です。
「サンプルサイズ」とは、何人から有効な回答を得たいかという数です。インターネットリサーチの場合、料金はアンケートを配信した人数ではなく、実際に回答を回収できた「有効なサンプル数」に対して請求が行われるのが一般的です。
次に「設問数」です。質問の量や複雑さが多いほど費用は増えますが、この設問数のカウント方法は、調査会社によって微妙に異なります。回答者の負担（回答負荷）を考慮し、設問カウントのルールが設けられているケースが多いです。特にマトリックス形式の設問は、複数問としてカウントされるケースがあります。
そして料金算出において、事前の見込みや取り扱いが難しい側面を持つのが、「対象者確保の難易度」です。特定の製品の利用経験者など、条件が絞られるほど対象者を探すコストがかかり、費用は高くなる傾向があります。調査業界では、この難易度を「対象者出現率」と呼ぶことが一般的です。これは、調査対象となる特定の条件に合致する人が、インターネットリサーチ会員の中にどのくらいの割合で存在するかを示す数値です。対象者出現率の目途は、過去の調査データや業界の一般情報などを参考に推測します。

実際の調査では、この出現率が低い（つまり対象者を見つけるのが難しい）ほど、調査会社はより多くのモニターに配信したり、条件に合う人を探すためのスクリーニングに手間をかけたりする必要があるため、費用が高くなる傾向にあります。調査会社では、この対象者出現率を元に、調査実施にかかる費用を算出します。
ここで、サポート型を利用する大きな利点の一つがあります。それは、もし調査が初めてで、対象者出現率の全く見当がつかない場合でも、調査会社が持つ豊富な過去の調査データや知見を元に、想定される出現率の目安を提示できる点です。これにより、不確定要素が多い場合でも、より現実的な調査設計や予算計画を立てることが可能になります。

セルフサービス型とサポート型の料金は、具体的にどの程度になるのでしょうか。例えば、「1,000サンプルサイズ、対象者出現率10%程度、設問数20問程度」というケースで考えてみましょう。

• セルフサービス型:
  調査システムやモニター利用料が中心となるため、比較的安価に実施可能です。上記の条件であれば、数万円からが目安となるケースが多いでしょう。ただし、調査設計や分析にかかる社内工数は別途考慮が必要です。
• サポート型:
  お客様の個別の課題やニーズに合わせて、調査会社が柔軟に対応し、手厚い支援を提供しますが、調査会社が提供するサポート範囲によって料金が変動します。
• 【基本プラン】アンケート画面作成～調査データ納品までを依頼する場合:
  調査システム利用料に加え、アンケート画面設計やデータ収集・クリーニングの費用が含まれます。この範囲であれば、目安として20万円～50万円程度で実施可能なことが多いです。
• 【企画・調査票作成を追加】基本プランに加えて、調査の企画や質問項目の設計も依頼する場合:
  お客様の課題に基づき、効果的な調査設計や質問票の作成をサポートする費用が加わります。基本プランの料金に加えて、さらに20万円～50万円程度が追加されることが一般的です。
• 【レポート作成を追加】収集したデータの分析・報告書作成までを依頼する場合:
  単純集計やクロス集計、グラフ作成、分析レポートの作成費用が発生します。基本プランや企画・調査票作成費用に加えて、さらに20万円～50万円程度が追加される傾向にあります。

したがって、企画からレポート作成まで全てを依頼する場合、上記の費用が積み重なり、総額で60万円～150万円程度、あるいは、調査仕様によってはそれ以上となる場合もございます。
ご紹介した金額はあくまで特定の条件下における一般的な市場での目安であり、調査内容の複雑さや対象者の詳細条件、そして依頼する調査会社によって大きく異なります。正確な料金については、ご希望の調査内容を明確にした上で、直接お問い合わせいただき、個別に見積もりを取得されることを強くお勧めいたします。

インターネットリサーチ料金　https://insight.rakuten.co.jp/internet_research/#section03
見積シュミレーション　https://insight.rakuten.co.jp/internet_research/estimate/

インターネットリサーチの料金体系を理解することは、効果的な市場調査を実施する上で重要な第一歩です。セルフサービス型とサポート型という2つの選択肢、そしてサンプルサイズ・設問数・対象者出現率という3つの主要要素を把握することで、自社の調査目的と予算に最適なプランを選択することができます。
また調査設計や分析手法の選択も、調査結果の品質を左右する重要な要素です。豊富な経験と専門知識を持つ調査会社のサポートを活用することで、これらの課題を解決し、より効果的な調査設計が可能になります。
限られた予算の中で最大限の調査効果を得るためにも、ぜひ専門的なサポートを検討し、戦略的なインターネットリサーチの実施を目指してみてはいかがでしょうか。楽天インサイトでは、お客様の課題に応じて、専門スタッフが最適なご提案をいたします。調査の実施がまだ具体的に決まっていない段階や、課題を整理している途中段階でも、お気軽にご相談ください。早い段階でのご相談が、より効果的な調査設計や課題解決につながります。

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