企業向けの商品・サービスを展開する際、「顧客企業のニーズが見えない」「決裁プロセスの実態がわからない」「顧客の全体像がわからない 」「競合他社の動向を把握したい」といった課題に直面することは珍しくありません。こうした課題を解決するために重要な役割を果たすのがBtoB向けの市場調査です。
BtoBの市場調査も基本的なプロセスはBtoC調査と共通しています。いずれも、顧客のニーズや市場の動向を客観的に把握し、課題解決や機会創出に繋げるという根本的な目的は同じです。ただしBtoB特有の難しさも存在します。本記事では、BtoB市場調査の基本知識から実施時の注意点まで、実践的なガイドとしてご紹介します。
BtoB市場調査とは
BtoB市場調査とは、企業間取引(Business to Business)を対象とした市場調査のことです。企業が他の企業に提供する商品やサービスに関して、顧客企業のニーズ、購買行動、市場動向、競合分析などのデータを収集・分析し、ビジネス戦略の立案や意思決定をサポートします。
BtoB市場調査では、調査対象が企業の意思決定者や実務担当者となることも多く、個人の嗜好よりも組織の課題解決や業務効率化に焦点が当てられます。また、購買決定プロセスが複雑で長期間にわたることが多く、複数の関係者が関与するため、一般消費者調査とは異なるアプローチが必要です。
BtoB市場調査の重要性
BtoC調査と同様で、BtoB調査を行うことで市場や顧客の深いニーズを把握し、製品開発、マーケティング、営業戦略の精度を高めることが可能です。調査結果がデータに基づいた戦略的な意思決定を導きます。
営業担当者による顧客へのヒアリングのみで満足していないでしょうか。この活動も重要ですが、それはあくまで個別の声であり、全体を網羅した客観的なデータとは限りません。戦略的な意思決定を導くためには、調査設計に基づき、体系的に市場実態を知る必要があります。より網羅的・客観的なデータを求める場合には、アンケート調査を実施することが一般的です。ここでは、インターネットリサーチ(定量調査)を使ったBtoB市場調査の実務推進の上での注意点をご紹介します。
インターネットリサーチについてはこちらもご覧ください。
ネットリサーチの実践的アプローチ|実施の流れをわかりやすく解説
BtoB調査対象者へのアクセス方法
BtoBマーケットに関するかつての定量調査は、訪問、電話、郵送調査に加えて営業や販売店を通してアンケートが主な手段であり、データ収集に要する費用と時間がかかる上に直接顧客に調査対応を依頼するため、調査行為自体が回答バイアスを生じさせる課題がありました。しかし、インターネットリサーチとアンケートパネルの拡大によってその方法は劇的に変化しました。
インターネットの登場により、迅速かつ広範囲なデータ収集が可能になりました。さらに、直接的な対面を伴わないため、回答者がより本音を出しやすくなり、回答バイアスが軽減され客観性の高いデータを取得することができるようになりました。
インターネットリサーチ会社が抱える消費者パネルは、見方を変えれば働く人のパネルでもあります。
各社インターネットリサーチ会社はパネルの基礎情報として、勤務状況や業務での各種決済への関与有無を聴取しています。こちらを活用することで、企業におけるサービスや商品の検討関与者にリーチすることができるようになりました。今では、例えば「業務でオンライン印刷を依頼することがある方」「飲食店で人材採用に関与する方」等の自社のターゲットに絞った調査が可能です。
BtoB調査とBtoC調査の違い
事業戦略やマーケティング施策の意思決定を支援するため、調査目的を設定し、その目的に基づいて仮説を構築し、調査設計を行うという基本的なプロセスは共通しています。一方で、BtoB市場調査特有の注意点も存在します。
BtoB調査を実施する際の注意点
調査対象者の選定
BtoB市場調査では、特定の役職や業界に属している特定業務の担当者を対象とする必要があります。そのため、調査対象者の選定は非常に重要になります。企業の規模や業種、役職などを考慮し、調査目的に合致する対象者を選定する必要があります。インターネットリサーチでは、本調査前のスクリーニングアンケート調査にて対象者を選定します。
プライバシーへの配慮
企業の機密情報や個人情報に関わる可能性がある質問は十分な配慮が必要です。
専門知識と業界理解の必要性
業界や企業の意思決定プロセスを理解する必要があり、専門的な製品知識や業界用語への精通が求められます。
楽天インサイトのBtoB調査の特長
仕事パネルの情報量が豊富でサンプル回収見込み数を提示
楽天インサイトには、モニターの就業状況や業種、企業規模、部署、職種、役職、決裁権、資格などの職業に関する詳細情報を収集・データベース化している「仕事パネル」があります。
これにより具体的なターゲットを抽出でき、調査企画やサンプル回収設計を効率的に進めることができます。
また回収可能なサンプルサイズで調査の実現可否が変わりますが、営業担当者が可能な限り発注前に過去の類似調査データを参照し、サンプル回収の見込み数を具体的に提示します。
仕事パネルのモニター数
モニター数が潤沢なため十分な母数を確保できることに加え、単一パネルによる品質管理が徹底されているため、回答者の重複を避け、正確な結果が期待できます。
BtoB市場調査のユースケースはこちら
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まとめ
本コラムでは、BtoBサービスや商品に関する市場調査をインターネットリサーチで行う場合の注意点を中心に紹介しました。
BtoBの商品やサービスに関する市場調査をご検討の際は、楽天インサイトの高品質な「仕事パネル」を活用し、意思決定のための市場調査データを取得しませんか。
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