「ブランドリフト調査で商品の認知向上は確認できたが、実際にどんな人に響いたのか分からない」「限られた質問数では、次の施策につながる顧客インサイトが得られない」と感じていませんか?
顧客理解を深める分析手法は多岐にわたります。本題に入る前に、混同されやすい「プロファイル」、「ターゲット」、「ペルソナ」それぞれの違いを整理します。
デジタルマーケティング
「ブランドリフト調査で商品の認知向上は確認できたが、実際にどんな人に響いたのか分からない」「限られた質問数では、次の施策につながる顧客インサイトが得られない」と感じていませんか?
顧客理解を深める分析手法は多岐にわたります。本題に入る前に、混同されやすい「プロファイル」、「ターゲット」、「ペルソナ」それぞれの違いを整理します。
まず、最も広範な概念である「プロファイル」について説明します。プロファイルとは、特定の顧客特徴や属性、行動パターンなどを体系的にまとめた「情報」の集合体を指します。このプロファイルという「情報」を、特定の目的に応じて分析・加工する「手法」が、次に説明する「ターゲット」や「ペルソナ」です。
「ターゲット」とは、想定顧客の集団を指します。「20代独身・男性会社員」などの大まかなグルーピングです。市場セグメントを特定するための「面」の意味合いで捉えられます。
しかし、全ての「20代独身・男性会社員」に向けた商品やサービスは、顧客ニーズの多様性を無視したもので、誰にも響かない中途半端な価値提案になってしまう可能性が高まります。
そこで、より具体的な顧客像として「ペルソナ」を設定することになります。ペルソナは、舞台や演劇で使われていた概念がマーケティングに応用されたもので、「商品やサービスを使用する具体的な人物像」を表現し、人格を肉付けして、あたかも実在する一人の消費者のように設定するものです。
「20代独身の男性会社員。仕事が趣味で自己投資にも意欲的。忙しさからタイパを重視するような人」といった登場人物の設定になり、この人に買ってもらうための商品・サービス戦略を立てるというものです。その主目的は、この架空の人物像を通じて、チームや会社全体の意思決定を支援し、顧客視点での戦略策定を促進することにあります。
この様に、ペルソナは非常に強力なツールですが、短所もあります。例えば本格的なペルソナを作成しようとした場合、アンケート調査やインタビュー、データ分析などを行う必要があり、多くの時間や工数、費用が掛かります。また、大掛かりな作業であるため更新作業も滞りがちです。そのため、「最近、リモートワークをする様になった。」など、社会要因でライフスタイルが変化した場合などに対応できないこともあります。
これらの短所をフォローすることができるのが、楽天インサイトが提供する「楽楽プロファイル」です。「楽楽プロファイル」は、楽天インサイトが保有する大規模なアンケートデータベースとAIを組み合わせて、「ペルソナ」のプロトタイプとなる基礎情報データを迅速に生成し、最新の顧客像作成を支援する新しい「プロファイル」ツールです。
これによって、例えば、以前作成したペルソナをもとに、ターゲットを20代女性向けと置いていた健康飲料が、現状は「リモートワークが増え、最近、育児参加に積極的になった40代の育メンパパ」に最も響いていることを発見。さらなる深掘り調査の実施、および広告メッセージを「家族の健康を守る」に変更する、などの柔軟なマーケティングが可能になります。
この様に、ブランドリフト調査の結果から顧客像のプロトタイプをクイックに描き出すことで、最新の顧客意識を理解し、次のアクションに繋げることが可能になります。
「楽楽プロファイル」は、楽天インサイトが保有する大規模なアンケートデータベースと、高度なAIデータ分析を組み合わせた画期的な機能です。
楽天インサイトでは、アンケートモニターに対して毎年定期的に自主調査を行っており、有効回答数は約40万サンプルで、生活意識、情報感度、ブランド購入、メディア利用など、多岐に渡る総計1600項目以上のアンケートを実施しています。この回答結果はアンケートデータベースとして蓄積しているため、モニターAさんは生活意識アンケートで〇〇と回答し、消費財購入状況アンケートでは〇〇と回答…などの回答結果をシングルソースで把握しています(個人情報は厳重に分離されており、個人特定はできません)。
このデータベースを、楽天インサイトでブランドリフト調査を実施いただいたお客様に無料で開放し、AIを組み合わせたサービスが「楽楽プロファイル」です。
「楽楽プロファイル」を活用することで、ブランドリフト調査で得られた回答者の意識データや行動データを詳細に分析し、顧客像のプロトタイプをパワーポイントに自動生成することができます。楽天インサイトでブランドリフト調査を実施いただいた場合、無料で利用できますので、ぜひ一度お試しください。
ブランドリフト調査の結果を活用した顧客分析は、広告にリーチした人を深掘りする形で把握できます。例えば、「「なんとなく」をなくす!ブランドリフト調査で広告の課題を明確に」のコラムで取り上げた「商品理解」向上が広告出稿の目的であったとします。
その場合、広告接触者(広告リーチが接触ログベースで判定された人)の中で「商品理解者」はどのような人物像なのかという点が焦点となります。
そのため、楽楽プロファイルで「商品理解者」を深掘りするためには、広告接触者の中の「広告を見て商品を理解した人」と、「広告を見たが商品理解に至らなかった人」を比較し、「響く顧客」の特徴を明確にするよう設定します。詳細な操作方法は割愛しますが、出力すると、AIが顧客像のプロトタイプをテキストとビジュアルで提示します。
上図の「40代既婚男性。子どもと過ごす時間を大切にし、教育費に投資。知識と健康を重視。」という要約は、「楽楽プロファイル」によって自動生成されたものです。ここには、性年代などのデモグラフィック情報と、生活態度、仕事意識、食意識、購買意識などのサイコグラフィック情報が含まれています。
これらの情報は、ブランドリフト調査の限られた質問数だけでは得られない、より詳細な顧客像を浮き彫りにし、自社の商品やサービスが広告によってどのような顧客に響いたのか、どのような価値観を持つ顧客にアプローチできたかなどをより具体的に理解することができます。
また、この顧客と親和性の高いメディアは何か、どのようにメディアプランニングしていくかを考える際にも基礎情報として役立ちます。
まとめると、「楽楽プロファイル」で把握した顧客像のプロトタイプは、以下5つのマーケティング活動に役立ちます。
| 1.顧客の明確化 | 漠然とした顧客像ではなく、「仕事が趣味で自己投資にも意欲的だが、忙しさからタイパを重視するような人」といった、より具体的な顧客像を確認できます。 |
| 2.メッセージングの最適化 | 顧客の価値観や意識に響くような、具体的なメッセージやキャッチコピーを開発できます。例えば、「子どもとの時間」を重視するようであれば、「家族で楽しめる」ことを強調するなど、より実際の行動変容を促すメッセージを開発することができます。 |
| 3.メディアプランニングの改善 | 顧客がよく利用するメディアや情報源を特定し、効果的な広告出稿先を選定できます。 |
| 4.社内での共通認識の醸成 | 作成した顧客像を各部署で共有することで、マーケティング、営業、商品開発など、社内の各部署間で顧客理解を深め、一貫した戦略を推進できます。 |
| 5.クイックで柔軟なPDCA活動 | 本格的なペルソナは多大な作成期間とコストが必要であるのに対し、「楽楽プロファイル」はブランドリフト調査の直後にペルソナ原案を確認できるため、月次でのペルソナ更新も可能になります。楽天インサイトお取引企業様であれば無料です。 |
このように、「楽楽プロファイル」は、ブランドリフト調査の結果を最大限に活用し、データに基づいた効果的なマーケティング戦略を立案するための基礎資料となりえます。楽天インサイトでブランドリフト調査を実施された際は、ぜひこの「楽楽プロファイル」をご活用いただき、貴社の顧客理解をさらに深めていただければ幸いです。
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