第14回

NPS®調査の理解と活用
-NPS®調査に関するよくある質問 (第2回目)-

NPS®調査の理解と活用 -NPS®調査に関するよくある質問 (第2回目)-執筆 : 植村 史明

前回に続き、NPS調査についてご理解を深めていただくために、NPS調査に関してよくいただく質問をご紹介します。

【注】NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。楽天インサイトは、2017年にベイン・アンド・カンパニー社から日本国内においてNPS調査をサービスとして展開するためのライセンスを取得し、楽天グループ、及び楽天グループ以外のお客様にNPS調査のコンサルティングサービスをご提供しています。

Q1.実施するたびにスコアが変動するのですがどうすべきでしょうか?

  • 毎回できるだけ同じ条件にて調査を実施することが大切です。NPS調査に限らず、一般のアンケート調査において、スコアが変動する要因としては以下を挙げることができます。
    1. 自社のマーケティング活動の成果
    2. 外部環境の変化(競合の変化など)
    3. データ分析の要因(統計上の標本誤差や調査の設計上の要素等)
  • この中で調査においては、要因(上記3点目)を出来るだけ排除し、毎回同じ条件にて定点調査を実施することで、NPSの変化トレンドを把握してゆくことが望ましいと考えます。
  • 上記3点目について具体的にまとめると以下の通りとなります。
スコア変動について

Q2.依頼する調査会社によってスコアは違ってくるでしょうか?

  • 調査会社が変わると、パネルの特性、サンプリング方法、データクリーニングの方法、質問の設計の違いにより、スコアが変わってくることがあります。
  • 楽天インサイトでは、次のような工夫を行っています。
依頼する調査会社によるスコアの変動

Q3.ドライビング・ファクタ-(決定要因)の精度を上げるにはどのようにしたら良いでしょうか?

  • 担当者の主観だけで質問項目を設定するのでなく消費者の回答に基づいて項目出しをすることを推奨しています。具体的には、推奨度の回答の理由(自由回答)、VOC、その他の調査結果の自由回答などが挙げられます。
  • これに加えて、定性調査を行ってより実感をもってドライビング・ファクタ-(決定要因)を理解したり、カスタマ-ジャ-ニ-を理解し決定要因をより細かく設定することを推奨しています。定性調査やカスタマ-ジャ-ニ-・マップの作成・見直しを通じて、重要な要因の漏れを防ぎ、深堀りを行うことが出来るからです。

Q4.ドライビング・ファクタ-(決定要因)と推奨度の相関を測定する場合、重回帰分析と相関分析のどちらを用いるべきでしょうか?

  • サンプル・サイズが十分ある場合は重回帰分析を行うことが可能ですが、そうでない場合は相関分析を用いる方が良い場合があると考えます。
  • 全体のサンプル・サイズが十分ではない場合、またはセグメント別に分析を行う場合、セグメントのサンプル・サイズが小さくなることがあることを考慮すると、相関分析で統一する方法にも一定のメリットがあると考えます。
  • 上記の理由としては、重回帰分析を用いるには多めのサンプル・サイズが必要となることが挙げられます。ドライビング・ファクタ-(決定要因)の回答の選択肢に「わからない/回答できない」がある場合、項目によってはこの選択肢を選ぶ人が多くでてきます。重回帰分析では、全ての項目を回答した人を対象に分析するのが正であり、「わからない/回答できない」を回答した人を除くとサンプル・サイズが小さくなり分析に耐えられなくなる場合が生じることがあります。

Q5.NPSを向上させるためには、施策として批判者を減らすべきでしょうか、それとも推奨者を増やすべきでしょうか?

  • 推奨者・批判者の経済効果、ボリューム、競争環境の3点を勘案して決めていくのが望ましいと考えます。
    1. 経済効果
      推奨度の別の収益性を見たときに、収益性に明らかな断絶があるのはどのポイントかを探ります。
    2. ボリューム
      いくら収益性が高くとも、対象となる顧客の数が少ないのであれば、優先度は低くなります。たとえば、批判者の中でも、4点以下の批判者が中立者よりも多い場合は、その企業の製品・サービスは重要な問題を抱えていると判断し、まず批判者を減らす活動に注力すべきであると考えます。
    3. 競争環境
      熾烈な競争下では、顧客にとって他の選択肢があり、口コミの果たす役割が大きい場合は、推奨者作りがきわめて重要となる場合があります。

以上2回にわたり、NPS調査に関してよくいただく質問をご紹介しましたが、今後NPS調査を企画・実施されるにあたり、少しでもお役に立てれば幸いです。

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