リサーチャーの働き方改革執筆 : 澤田 裕行

前回のコラムで、弊社の田中が令和を迎えるにあたり、改めて平成の日本、そして日本のガラパゴス化についてお話をさせていただきました。今回私は、これからの時代に向けたリサーチャーの働き方改革というテーマで、弊社の取り組みをご紹介したいと思います。

日本中が今、「働き方改革」ということでこれまでの働き方を変える、ということにチャレンジしており、多くの皆様が、従来とは違う働き方を心掛け、実践されていることと思います。バブル期に社会人になった私としては、やはりどうしても当時印象的だった、「Regain」のCMキャッチフレーズとあのテーマ曲が頭に浮かびます。「24時間戦えますか?」。当時社会人をされていた方なら、ほぼ皆さん覚えておられる、とてもインパクトのあるフレーズですね。私自身もまだ若かったので(?!)、あまり詳細は話せませんが、かなり頑張って戦って(働いて)いました…また、ちょうどそのくらいの働き盛りの時期はライフイベントもいろいろ起こる時期と重なることが多く、本来ならば、仕事と家庭のバランスを最も求められる時期でもありますが、多くの苦労を経験してきました。

こうした働き方はよく「日本独特」であると言われました。外資系に勤めていた私は、アメリカやドイツに行くことも多々ありましたが、アメリカですと夏はサマータイムで朝早い人は6時ぐらいから仕事を始めて、15時には退社してしまいます。多くの社員が17時ぐらいにはほぼ退社して、そのあとは平日にもかかわらず、ゴルフに行ったり、部署のメンバーでバーベキューをしたり(私がいた場所が夏は21時近くまで明るかったこともあるかもしれませんが)と、日本では考えられない働き方でした。ドイツ人も(有名ですが)7月・8月は多くの人が1か月ほどバケーションを取ってしまうため、夏になると仕事がストップします。もちろんクリスマスがある年末もストップします。

対して日本人は、このような長期バケーションをあまり取らないため、あたかも一年中仕事をしているようで、彼らがいない間は「宿題」をもらって、彼らのバケーション明けまでにやっておくように、みたいな働き方でした。日本人が休みをあまりとらないことについて、「日本人の中には、使わなかった有給が繰り越し上限を超えてしまうため、上限を超えた分の有給を毎年捨ててしまっている」という話をすると、多くのアメリカ人に「なぜ?なぜそんなことをするのか?」と聞かれ、言葉に窮することもありました。

そのような中で、リサーチャーの働き方はどうだったでしょうか。我々の仕事はクライアントがいて、彼らが達成したい様々なことに対して、依頼を受け、それを実施して価値を提供する(対価としてお金をいただく)、という働き方の中、どうしても仕事が予定通りにいかなくなる、その対応に追われて、夜遅くになりがち、ということが多かったのではと思います。

さらにネット調査が広まると、従来のオフライン調査の時よりもスピード感を求められるようになり、多くのリサーチャーは複数の案件をかなりのスピード感の中で次々とこなしていかないといけなくなり、多くの負荷がかかる状況が増えたと思います。

今では日本社会でもこうした働き方の問題点がいろいろなところで指摘をされるようになり、社会全体で働き方改革を進めている状態です。その中で、特にリサーチャーが今後改革を期待されるエリアがいくつかあると思いますので、それをあげさせていただきます。

1:ビジネスアワーを意識する

ビジネスアワーの定義は難しいですが、「普通に多くの社会人・会社人が仕事をしている時間」程度の緩いものでいいと思います。楽天インサイトの場合、楽天グループの規定に則り、勤務時間は基本朝の9時から夕方17時半までとなっており、これが我々にとってのビジネスアワーです。クライアントによっては、様々な勤務体系を採用されているため、朝の8時ぐらいから夕方は18時・19時ぐらいまでを、世間一般のビジネスアワーと考えてよいのでは、と思います。

「ビジネスアワーを意識する」というのは、基本的にはこの時間内で仕事に関するやり取りを完結するようにするということです。メールや電話のやり取り、会議の設定、納品物の受け渡しなど、いわゆる仕事上必要なクライアントとのコミュニケーションはこの時間内に終わらせる、という意識を持つことが重要だと思います。

以前は、正直あまりこうした意識の中で仕事をしていない状況も多くみられました。深夜や週末まで延々とメールをやり取りする、20時以降に会議を設定する、「今日中納品」の意味がその日の23時59分59秒までなら「今日中」とする、などです。もちろん案件ごとの様々な事情があるのは理解しますし、そのような対応が必要な状況もあることは理解しますが、最近はクライアント側の受け取り方にも変化がみられるケースが多く、こうしたビジネスアワーを意識しないコミュニケーションはお叱りを受ける場合も散見されます。思った以上に時間がかかり、納品が遅れる場合などは、一言クライアントに「納品がどうしても○○時になります」や「明日の朝○○時までにはお送りします」などのコミュニケーションをとる、それ以前に、そもそものプロジェクトスケジュールを週末や深夜の作業時間を加味して組まない、などの意識と行動、クライアントとの合意が必要になってくると思います。

2:自動化、効率化の積極導入

これは各社で様々な取り組みがすでになされていると思います。IT化の流れの中で、世の中では常にスピード感を求められています。リサーチャーの業務もこれまで人力や手作業でやっていたことの自動化・効率化を進めることで、いかに時間を短縮し、さらには品質をあげる、これらの実現は一つの競争軸になると思います。それは、案件全体の納期短縮であったり、コストに跳ね返ってきたり、これまでリサーチャーがかけていた工数を効率よく削減することが出来れば、最終的には高い競争力につながると思います。

一方、多くの部分で自動化や効率化、また昨今様々なところで聞かれるAI化などが実現できてくると、リサーチャーに対する期待も変わってくることになります。

作業やアウトプットが自動化・効率化されれば、これまでその作業に時間をかけていたリサーチャーの工数が削減されるため、それを別の時間に使うことが出来るようになります。具体的には、メンバーやクライアントとのディスカッションやそこから考えられる仮説構築、洞察の導出などに時間を割くことで、より高い価値を提供できるリサーチャーへと成長できる可能性が高まります。

3:指定時間内で結果を出す

これは大変です。これまでの時間の使い方は、個々のリサーチャーに多くは任されており、リサーチャーはできるだけクライアントの期待値にこたえるため、また、それを超えたいと思うため、時にはあまり時間を気にせず、提案を考えたり、設計を考えたり、分析したり、ということをしてきました。ただしこれからはクライアント側も与えられた時間が限られ、その中で答えを求められます。すべてではないですが、「綺麗でなくても泥臭く勝つ」ことも必要な場合があると思われ、その場合の仕事の仕方、というものが求められると思います。

スポーツのたとえで恐縮ですが、最近野球では一部「タイブレーク制」という制度が導入され、決着がつくまで延長戦をするのではなく、ある同じ条件下でお互いプレーを再開して、決着をつける、という制度が導入されることがあります。初めて聞いたときは「そんな制限なんてやめて、選手が納得するまでやらせてあげればいい」と思う人もいたと思いますが、このような制度が導入され、野球は少しずつ変化してきています。一方、サッカーのように、前後半各45分、延長をおこないそれでも決着がつかない場合はPK、というある意味非情な形で決着をつける、ということを行うスポーツもあります。

これからのリサーチャーは、こうした一定の時間制限の中で結果をだす、それもいかにベストな結果を出せるか、ということも求められるようになると思います。これは、今まで全くそうではなかった、というわけではないですが、よりこうした要求が高まるのでは、と思っています。

もちろん、これらの働き方改革はすべての状況にあてはめられるものではありませんが、これからの時代、少なくとも常にこれらを意識して仕事をしてもらいたいと思います。

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