2024.03.04

公開レポート

終活に関する調査

「終活」のきっかけは、20代で「生涯独身だろうと思ったこと」、30代で「子供ができたこと」がトップ
終活に関する調査

楽天インサイト株式会社は、「終活に関する調査」をインターネットで実施しました。今回の調査は、2024年1月19日(金)~1月21日(日)の3日間、楽天インサイトに登録しているモニター(約220万人)の中から、全国の20~69歳の男女1,000人を対象に行いました。今回は、「終活」(注1)を実施する理由やきっかけ、「デジタル遺品」(注2)の認知率などの昨年の調査からの変化に加え、「終活」について相談したい人について新たに調査しました。

調査結果

「終活」の実施意向がある人は約7割で、昨年からほぼ横ばいの結果に

「終活」の実施状況を聞いたところ、「意向あり」計(「実施している」(6.3%)、「近いうちに始める予定」(6.2%)、「予定はないが、時期が来たら始めたい」(57.3%)の合計)は69.8%で、昨年1月実施の同調査(https://insight.rakuten.co.jp/report/20230213/)と比較してほぼ横ばいの結果となった(昨年:71.8%)。

「終活」の実施意向 昨年比較(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「終活」の実施意向 昨年比較

また、「意向あり」計は昨年と同様に男性より女性の方が高い傾向がみられ(男性:64.3%、女性:75.4%)、男女ともに年代が上がるにつれて高かった。特に女性60代は全体と比較して、「近いうちに始める予定」(60代:19.0%、全体:6.2%)が約13ポイント高く、「実施している」(60代:16.0%、全体:6.3%)も約10ポイント高い結果となった。

「終活」の今年の実施意向(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「終活」の今年の実施意向

「終活」で今後する予定があること、興味があることは「家の中の荷物整理」が46.8%でトップ。男性では「財産整理」がトップ

「終活」で今後する予定があること、興味があることを複数回答で聞いたところ、「家の中の荷物整理」が46.8%でトップとなり、「財産整理」(32.2%)、「パソコンやスマートフォンなどのデータ整理」(27.5%)が続いた。性別でみると、男性よりも女性の方が「家の中の荷物整理」と答えた人の割合が約18ポイント高く(男性:37.3%、女性:55.1%)、「エンディングノート・遺書の作成」(法的効力はないが、意思を伝えられるものの作成)は約10ポイント高かった(男性:18.2%、女性:27.8%)。一方、「財産整理」は女性より男性の方が10ポイント以上高く、男性ではトップだった(男性:37.7%、女性:27.5%)。

「終活」で今後する予定があること・興味があること(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

「終活」で今後する予定があること・興味があること

「終活」をする・したい理由は、すべての年代で「家族に迷惑をかけたくないから」がトップ。「病気や怪我、老化などで寝たきりになった場合に備えるため」が2位に

「終活」をする・したい理由について聞いたところ、「家族に迷惑をかけたくないから」(60.2%)が最も多く、次いで「病気や怪我、老化などで寝たきりになった場合に備えるため」(26.9%)、「自分の人生の棚卸し、整理をしたいから」(22.5%)となり、昨年と同様の順位だった。

「終活」をする・したい理由 昨年比較(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

「終活」をする・したい理由 昨年比較

全年代でトップは、「家族に迷惑をかけたくないから」(20代:50.0%、30代:59.3%、40代:61.5%、50代:60.5%、60代:63.8%)だった。年代別でみると、「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」が30代で2位(23.9%)、20代で3位(27.6%)にランクインしたほか、40代以上では「病気や怪我、老化などで寝たきりになった場合に備えるため」(40代:26.7%、50代:30.8%、60代:28.2%)が2位となり、年代によって理由に違いがみられた。

今年の「終活」をする・したい理由ランキング 上位3位(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

今年の「終活」をする・したい理由ランキング 上位3位

性別でみると、「家族に迷惑をかけたくないから」は、女性が男性よりも約10ポイント高かった(男性:54.9%、女性:64.7%)。性年代別でみると、男女ともに20代は「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」(男性:27.8%、女性:27.5%、全体:21.1%)、「後に何も遺したくないから」(男性:27.8%、女性:30.0%、全体:18.6%)、30代では「これからの自分の人生をより良くするため」(男性:18.9%、女性:18.3%、全体:12.5%)、「話題になっていて興味を持ったから」(男性:9.4%、女性:8.3%、全体:3.3%)が全体より5ポイント以上高い結果となった。

今年の「終活」をする・したい理由(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

今年の「終活」をする・したい理由

「終活」のきっかけは、20代で「生涯独身だろうと思ったこと」、30代で「子どもができたこと」、40代で「自分の健康に不安を感じたこと」がそれぞれトップ

「終活」をする・したいと思ったきっかけを聞いたところ、「自分の健康に不安を感じたこと」(20.8%)が最も多かった。年代別でみると、20代は「生涯独身だろうと思ったこと」(17.1%)、30代は「子どもができたこと」(23.0%)、40代・60代は「自分の健康に不安を感じたこと」(40代:22.4%、60代:28.2%)、50代は「家族や大切な人が亡くなったこと」(25.4%)がそれぞれトップとなり、年代ごとに違いがみられた。また、20代~40代では「テレビなどのメディアやSNSで見聞きしたこと」(20代:14.5%、30代:19.5%、40代:17.4%)が2位にランクインした。

「終活」をする・したいと思ったきっかけ 上位3位(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

「終活」をする・したいと思ったきっかけ 上位3位

「終活は家族に迷惑をかけないために必要なことである」と思う人は71.5%

「終活」に対する考え方について聞いたところ、「終活は家族に迷惑をかけないために必要なことである」という項目に「そう思う」計(「とてもそう思う」(34.3%)と「ややそう思う」(37.2%)の合計)と答えた人が71.5%と最も多かった。次いで「終活は手間がかかり、面倒に感じる」(52.5%)、「終活をすることで将来の不安が解消されると思う」(43.1%)という項目に「そう思う」と答えた人が多かった。

「終活」に対する考え方(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「終活」に対する考え方

性年代別でみると、女性20代・30代では「SNSなどの投稿は定期的に整理(削除等)をしたい」(20代:50.6%、30代:51.1%、全体:37.7%)、女性40代・50代では「終活は家族に迷惑をかけないために必要なことである」(40代:83.2%、50代:83.3%、全体:71.5%)、「終活をすることで将来の不安が解消されると思う」(40代:55.8%、50代:55.3%、全体:43.1%)が全体に比べ10ポイント以上高い結果となった。

「終活」に対する考え方 性別比較(「そう思う」計)(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「終活」に対する考え方 性別比較

「デジタル遺品」の認知率は50.6%で、昨年より3.4ポイント高い結果に。女性50代・60代では6割を超える

故人が遺したデジタルデータやSNSアカウントなどの「デジタル遺品」について聞いたところ、「認知」計(「知っている」(17.5%)と「聞いたことはあるが、よく知らない」(33.1%)の合計)は50.6%で、昨年より3.4ポイント高い結果だった(昨年:47.2%)。性年代別でみると、女性50代・60代では「認知」計(女性50代:63.2%、女性60代:64.0%、全体:50.6%)が全体と比較して10ポイント以上高い結果となった。

「デジタル遺品」の認知 昨年比較(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「デジタル遺品」の認知 昨年比較

「デジタル遺品」の認知(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「デジタル遺品」の認知

「各種アカウントのID/パスワードの整理」と「パソコンやスマートフォンなどに保存されている写真データの整理」の実施意向は5割弱

「デジタル遺品」のデータ整理について実施状況を聞いたところ、「実施意向あり」計(「取り組んだ(すでに完了した)」「取り組んでいる最中(まだ終わっていない)」と「いつかやろうと思っていた(まだ何もしていない)」の合計)のトップは「各種アカウントのID/パスワードの整理」(48.8%)で、「パソコンやスマートフォンなどに保存されている写真データの整理」(48.3%)が続いた。

「デジタル遺品」のデータ整理の実施状況(n=1,000:全員回答)単一回答 単位:%

「デジタル遺品」のデータ整理の実施状況

投稿を「すべて削除したい」メッセージアプリやSNSは、「TikTokの投稿」「YouTubeチャンネルの投稿」「X(旧Twitter)の投稿」が6割以上

各SNSサービスの利用者に、メッセージアプリやSNSの投稿を遺したいか・削除したいかを聞いたところ、すべての項目で「すべて削除したい」が半数以上となった。最も多かったのは「TikTokの投稿」(67.2%)で、「YouTubeチャンネルの投稿」(63.4%)、「X(旧Twitter)の投稿」(62.7%)が続いた。

メッセージアプリやSNSの投稿を遺したいか・削除したいか(各サービスを利用している人)単一回答 単位:%

メッセージアプリやSNSの投稿を遺したいか・削除したいか

「終活」について相談したい人は「配偶者・パートナー」が32.2%でトップ。年代別では20代~40代は「母親(あなたの親)」に相談する人が最多

「終活」について相談したい人について聞いたところ、「配偶者・パートナー」(32.2%)が最も多く、次いで「子ども」(17.9%)、「友人・知人」(14.5%)、「専門家やアドバイザー」(14.2%)と答えた人が多かった。性別でみると、「誰にも相談していない(したいと思わない)」(男性:40.7%、女性:30.7%)で男性が女性より10ポイント高かった。年代別でみると、20代~40代では「母親(あなたの親)」(20代:18.4%、30代:16.8%、40代:14.9%、全体:9.6%)、50代・60代では「子ども」(50代:23.2%、60代:23.3%、全体:17.9%)が全体に比べ5ポイント以上高い結果となり、年代による違いがみられた。

「終活」について相談したい人(n=698:「終活」実施意向者)複数回答 単位:%

「終活」について相談したい人

(注1)「終活」とは「人生の終わりのための活動」の略で、人生の最期を迎えるにあたって行う様々な活動のことを指します。
(注2)本調査における「デジタル遺品」とは、故人が生前に利用していたパソコンやスマートフォンに保存されたデータや、SNSのアカウント、ネット銀行などウェブ上に保存されたデータのことを指します。

調査概要

調査エリア  :全国
調査対象者  :20歳~69歳 男女
回収サンプルサイズ:1,000サンプルサイズ
調査期間   :2024年1月19日(金)~1月21日(日)
調査実施機関 :楽天インサイト株式会社

※本レポートでは小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%とならない場合があります。
※本レポートでは実数で全体との差分の色付けをしているため、表記上の数値での差分と異なる場合があります。
※本調査における「終活」とは「人生の最期に向けた活動、準備」の略で、人間が人生の最期を迎えるにあたって執る様々な準備(医療や介護、お墓についての要望、身辺整理や遺言書作成)やそこに向けた人生の総括のことを指します。
※本調査における「デジタル遺品」とは、故人が生前に利用していたパソコンやスマートフォンに保存されたデータや、SNSのアカウント、ネット銀行などウェブ上に保存されたデータのことを指します。

出典元

このレポートは、楽天インサイトを出典元とし開示すれば自由に引用や転載をすることができます。詳しい引用や転載方法はお問い合わせください。

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