『免疫疾患患者のバイオシミラー認知率は約1割』
バイオシミラーに関する調査
2020年3月27日
楽天インサイト株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:渡邉 秀文、以下「楽天インサイト」)は、「バイオシミラーに関する調査」をインターネットで実施しました。今回の調査は、2020年1月9日(木)~28日(火)の期間で、楽天インサイトに登録しているモニター(約220万人)の中から、全国の20代から60代の男女1,908人を対象に行いました。本レポートでは、現在免疫疾患を患っている対象者を中心に、治療の状況や、生物学的製剤やバイオシミラーの認知度や使用経験、使用意向などに関する傾向をまとめました。
※生物学的製剤、バイオシミラーとは
生物学的製剤(バイオ製剤)とは、有効成分がタンパク質由来(成長ホルモン、インスリン、抗体など)である薬、あるいは細胞、ウイルス、バクテリアなどの生物から産生される物質に 由来する薬。
バイオシミラー(バイオ後発品)とは、先行の生物学的製剤に類似している医薬品のことを指す。品質、安全性及び有効性に関する直接的な比較評価を通して先行品に対する類似性を示す。
出所:日本製薬工業協会「バイオ医薬品 医療の新しい時代を切り開く」
http://www.jpma.or.jp/medicine/bio/pdf/bio_01.pdf
調査結果
■回答者属性
◇現在患っている病気・症候群(n=1,908:全員)複数選択 単位:%
※n=30未満は参考値
■免疫疾患の治療の中心は「飲み薬」「塗り薬」
免疫疾患患者の現在の治療状況は、「関節リウマチ」「炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)」「ベーチェット病」では「飲み薬」、「乾癬」「掌蹠膿疱症」では「塗り薬」の使用患者が多くを占める結果となった。
また、「関節リウマチ」では「自宅で注射」の選択が23.2%となり、他の疾患と比較して高い割合となった。
◇現在の治療状況(n:各疾患患者)複数選択 単位:%
■免疫疾患患者の生物学的製剤認知度は42.5%、一方、バイオシミラー認知率は11.5%
後発医薬品(GE:ジェネリック医薬品)、オーソライズドジェネリック(AG)、生物学的製剤(バイオ製剤)、バイオシミラー(バイオ後発品)それぞれについて、「聞いたことがあるもの」「ある程度知っているもの」「使ったことがあるもの」を聞いたところ、後発医薬品では、全体で「聞いたことがある」が87.6%、「ある程度知っている」が78.3%、「使ったことがある」が71.0%となり、認知率、使用率ともに他の医薬品より大幅に上回る結果となった。
生物学的製剤については、全体では「聞いたことがある」が28.3%、「ある程度知っている」が13.8%、「使ったことがある」が8.5%であった。罹患状況別にみると、免疫疾患患者においては「聞いたことがある」が42.5%、「ある程度知っている」が23.0%、「使ったことがある」が15.7%となり、いずれにおいても健常者より大幅に高い結果であった。
バイオシミラーについては、全体では「聞いたことがある」が9.7%、「ある程度知っている」が2.7%、「使ったことがある」が0.6%となった。罹患状況別にみると、免疫疾患患者においては「聞いたことがある」が11.5%、「ある程度知っている」が3.4%、「使ったことがある」が0.9%となり、認知率、使用率ともに低く、健常者と大きな差は認められなかった。
◇各医薬品の認知率、使用率(n=1,242:免疫疾患患者と健常者)複数選択 単位:%
※免疫疾患患者:現在「関節リウマチ」「乾癬」「炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)」「掌蹠膿疱症」「ベーチェット病」を患っている対象者
健常者:現在患っている病気・症候群がない対象者
■生物学的製剤をある程度知っているが使ったことがない免疫疾患患者では、半数以上は医師から生物学的製剤を提案されたことがない
生物学的製剤をある程度知っているが使ったことがない免疫疾患患者では、医師から生物学的製剤を提案された経験を持つ割合は40.4%であった。半数以上の57.4%が医師から生物学的製剤を提案された経験がないとの回答結果となった。
【n=30未満のため、以下は参考結果】
生物学的製剤をある程度知っているが使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を医師から提案されたことがない患者に医師から提案された場合の生物学的製剤の使用意向を「1:全く使用してみたいと思わない」~「7:とても使用してみたいと思う」の7段階で聞いたところ、TOP2(6、7の合計)は22.2%、TOP3(5~7の合計)は37.0%であった。
◇医師からの生物学的製剤の提案経験(n=47:生物学的製剤をある程度知っているが使ったことがない免疫疾患患者)単一選択 単位:%
◇医師から生物学的製剤を提案された場合の使用意向【参考結果】(n=27:生物学的製剤をある程度知っているが使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を医師から提案されたことがない患者)単一選択 単位:%
※n=30未満のため参考値
■生物学的製剤を使用しない/使用したいと思わない理由は、「費用が高いから」が最多
医師から生物学的製剤を提案されたが使ったことがない免疫疾患患者と、医師から生物学的製剤を提案されても使いたいと思わない免疫疾患患者にその理由を聞いたところ、「費用が高いから」が72.2%と最多であり、次いで「副作用が心配だから」が38.9%となった。
◇生物学的製剤を使用しない/使用したいと思わない理由(n=36:医師から生物学的製剤を提案されたが使ったことがない免疫疾患患者と、医師から生物学的製剤を提案されても使いたいと思わない免疫疾患患者)複数選択 単位:%
■バイオシミラー使用意向がある割合は約5割
バイオシミラーを使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を使ったことがある患者に、バイオシミラーの使用意向を「1:全く使用してみたいと思わない」~「7:とても使用してみたいと思う」の7段階で聞いたところ、全体でTOP2(6、7の合計)は32.3%、TOP3(5~7の合計)は47.9%であった。
◇バイオシミラーの使用意向(n=96:バイオシミラーを使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を使ったことがある患者)単一選択 単位:%
■バイオシミラーを使用しない/使用したいと思わない理由は、「効果に不安があるから」が最多
バイオシミラーを使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を使ったことがある患者で、バイオシミラーの使用意向が1~4の対象者にその理由を聞いたところ、「効果に不安があるから」が48.0%で最多であった。次いで「聞いたことがないから」が46.0%「安全性に不安があるから」が32.0%となった。
◇バイオシミラーを使用しない/使用したいと思わない理由(n=50:バイオシミラーを使ったことがない免疫疾患患者のうち、生物学的製剤を使ったことがある患者で、バイオシミラーの使用意向が1~4)複数選択 単位:%
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【調査概要】
調査エリア : 全国
調査対象者 : 20歳~69歳 男女
回収サンプル数 : 1,908サンプル
調査期間 : 2020年1月9日から1月28日
調査実施機関 : 楽天インサイト株式会社
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