インパクトのある広告を作るために!

コンセプト+プロダクトテストで、ビジネスとなりうる需要が確認できたら、次に新製品の発売時に使う広告コミュニケーションの開発がスタートします。

広告コミュニケーション開発のプロセス

広告コミュニケーション開発のプロセスは下図のような5つのステージに分解することが出来ます。広告には大きなコストがかさみがちですが、ステージ2までの早い段階で方向性を決めることで、効果的・効率的、そして経済的に開発を進めることが出来ます。

新製品開発のプロセスでは広告コミュニケーション開発調査の前に、市場理解のためのU&A調査、コンセプトテスト、C+Pテストなどでターゲットと広告のプロポジション(USP=Unique Selling Proposition)は決まっています(ステージ2=プロポジションの決定)。クライアントはこれらの情報に基づいて、クリエイティブ・ブリーフ(ターゲット、インサイト、USP、広告のトーン&マナーなどが含まれます)を作り、広告代理店(あるいは広告制作会社)に広告の制作を依頼します。広告代理店はクリエイティブ・ブリーフをベースにいくつかの広告表現案を開発します。それらを一層洗練させた上で評価し、よいものを選択します(ステージ3=表現内容の決定)。次に選ばれた表現案に基づいて制作された完成広告がクリエイティブ・ブリーフに沿った形で広告メッセージを効果的に伝えているかをテストします(ステージ4=完成広告の評価)。以上のプロセスを通過した広告がオンエアされ、新製品発売に伴うマーケティング活動全体が評価されます(ステージ5=マーケティング活動の効果測定)。

広告開発プロセスとそれに寄与する調査

完成広告の評価

ステージ4の完成広告の評価について詳述します。まず広告効果の発現モデルを考え、それに対応する基本的な調査項目を検討すると次のようになります。

広告のコミュニケーション効果

調査はCLT(最近は インターネット調査でも対応可能)でサンプルサイズ100~200、モナディック形式(1対象者は1つの制作物を評価)で行われることが多いようです。調査結果の分析の要点は次の通りです。

  1. 完成広告はクライアントがクリエイティブ・ブリーフを作り、広告代理店に依頼したものですから、それがきちんとターゲットに、インパクトを持って好意的に伝わっていたか?が分析の中心になります。具体的には

    ・ブランド・訴求点を十分伝えるインパクトは十分か?
    ・訴求点は正しく理解されているか?
    ・説得力(購入を喚起する力)は十分か?
    ・全体としてのトーン&マナーは?

  2. 広告の3要素(ブランド、USP/広告コンセプト、ストーリー・登場人物)はバランスよく噛み合っていたか?
  3. クリエイティブ的な良さは?(トーン&マナー、音楽・ジングル、表現上の独自性)

インサイトの重要性

広告表現においてもインサイトは重要です。
ターゲットとなる消費者にとって、少しサプライズがあり、なるほどと思わせる広告は、消費者の記憶に残りやすく、購入を喚起する力も強いからです。

広告調査のROI?

三木康夫

以下は筆者の独り言と理解してください。

広告にかける予算に比べ、広告コミュニケーションの開発調査はあまり行われているとはいえません。広告コミュニケーションのプロセス、メカニズムをしっかり理解している調査会社が少ないことが問題なのか?あるいは広告はクリエイターの聖域なのでしょうか?ターゲットからのフィードバックのない、インパクトがあるか、ないかの保証のない広告を打つよりは、一定レベルのインパクトがあることを保証された広告を打つことが大切と思うのですが・・・。

大型の新製品のテレビCMだと、2000~3000GRP(Gross Rating Point)が投入されるようです。全国ネットでTVCM を打つと1GRPあたり10~15万円程度かかるようですから、広告予算は3~4.5億円になります。完成広告の調査をCLTで150サンプルで実施する費用は、およそ200万円位と思います。GRP に換算すると15GRP程度です。CMを1~2回投入するだけの費用で調査はできてしまうのです。インパクトのある広告であれば、3000GRP投入するところをたとえば2500GRPで、同じ銘柄認知度やトライアル率を達成できるのではないでしょうか?
また、広告投入の最後の15GRPは銘柄認知度やトライアル率にどの程度の寄与があるのでしょうか?

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